電験三種 理論を解いてみた(令和6年度下期)解説

電気主任技術者
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先日、2025年3月23日、令和6年度下期第三種電気主任技術者試験が実施されました。

前回掲載した過去問解説ページはあまり伸びなかったのですが(笑)

個人的な勉強もかねて今回もやってみようと思います。

調整は入らなかったようなので、例年通りの難易度だったのかなと思います。

公表された解答を見ても、解き方がわからないという方の参考になれば幸いです。

問題については以下のリンクから確認してください。(引用元:電気技術者センター)
https://www.shiken.or.jp/chief/upload/20250323_ch_third_q01.pdf

筆者の受験記録はこちら(学習時間や使用した教材など)

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1.解答と解説

問1 並行平板コンデンサに蓄えられる電荷について

並行平板コンデンサに比誘電率の異なる二つの誘電体を挿入したときの電荷量を求める問題です。

この問題では、以下のような公式を使います。

① コンデンサに蓄えられる電荷 Q と静電容量 C 及び電圧 V の関係

\(Q=CV\)

\(Q\):電荷[C] \(C\):静電容量[F] \(V\):電圧[V]

② コンデンサの静電容量を求める公式

\(C=\displaystyle\frac{ ε_0S }{ d }\)

\(C\):静電容量[F] \(ε_0\):真空の誘電率[F/m] \(S\):極板の面積[㎡] \(d\):極板間の距離[m]

また、平行平板コンデンサの間に比誘電率 \(ε_r\) の誘電体を挿入すると以下のようになります。

③ コンデンサの静電容量を求める公式(比誘電率を使用)

\(C=\displaystyle\frac{ε_rε_0S }{ d }\)

\(C\):静電容量[F] \(ε_r\):比誘電率 \(ε_0\):真空の誘電率[F/m] \(S\):極板の面積[㎡] \(d\):極板間の距離[m]

コンデンサの合成静電容量の求め方は以下の通りです。

④ コンデンサの合成静電容量(直列接続の場合)

\(C=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}}\)

変形すると

\(C=\displaystyle\frac{C_1C_2}{C_1+C_2}\)

まず、③の公式を使ってそれぞれの静電容量\(C_1\)と\(C_2\)を求めます

誘電体1の場合

\(C_1=\displaystyle\frac{2×8.85×10^{-12}×0.1}{2×10^{-3}}\)

 \(=\displaystyle\frac{8.85×10^{-13}}{1×10^{-3}}\)

 \(=8.85×10^{-10}\ [F]\)

誘電体2の場合

\(C_2=\displaystyle\frac{4×8.85×10^{-12}×0.1}{4×10^{-3}}\)

 \(=\displaystyle\frac{8.85×10^{-13}}{1×10^{-3}}\)

 \(=8.85×10^{-10}\ [F]\)

次に合成静電容量\(C\)を求めます。直列なので④の公式を使って、逆数を足して逆数を取ります。

\(C=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}}\)

 \(=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{8.85×10^{-10}}+\frac{1}{8.85×10^{-10}}}\)

 \(=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{2}{8.85×10^{-10}}}\)

 \(=4.425×10^{-10}\)

ここで、①の式で静電容量\(C\)と電圧\(V\)から電荷量\(Q\)を求めます

\(Q=CV\)

 \(=4.425×10^{-10}×12\)

 \(=53.1×10^{-10}\)

 \(=5.31×10^{-9}\ [μF]\)

以上から、答えは(1)となります。

問2 導体球の静電容量について

この問題では、以下のような公式を使います。

真空中の導体球の電位を求める公式

\(V=\displaystyle\frac{Q}{4πε_0r}\)

\(V\):電位[V] \(Q\):電荷[C] \(ε_0\):真空の誘電率[F/m]

コンデンサに蓄えられる電荷 Q と静電容量 C 及び電圧 V の関係

\(Q=CV\)

\(Q\):電荷[C] \(C\):静電容量[F] \(V\):電圧[V]

上記2式をまとめると

\(C=4πε_0r\)

わかっている数値を代入すると

\(C=4πε0r\)

 \(=4π×8.85×10^{-12}×6.37×10^6\)

 \(=225.498π×10^{-6}\)

 \(≒708.064×10^{-6}\)

 \(≒7.08×10^{-4}\ [F]\)

以上から、答えは(1)となります。

問3 コイルに生じる誘導起電力の大きさ

ファラデーの法則(N回巻きの場合)

\(e=-\displaystyle\frac{NΔφ}{Δt}\ [V]\)

\(e\):誘導起電力[V] \(N\):コイルの巻数[回] \(φ\):磁束[Wb] \(t\):時間[s]

ファラデーの法則から、30回巻き、0.1秒間に1Wb磁束が変化するコイルに発生する起電力V[V]の大きさは

\(V=30×\displaystyle\frac{1}{0.1}\)

 \(=\displaystyle\frac{30}{0.1}\)

 \(=300\ [V]\)

以上から、答えは(2)となります。

問4 平行導体間に働く電磁力の向き

平行に置かれた導体に電流を流すと

・同じ向きに電流を流せば、導体は引き寄せあう(引力)

・逆の向きに電流を流せば、導体は反発しあう(斥力)

この問題では2本の導体は同じ向きに電流を流すため、導体は引き寄せあいます

ここから答えを導くこともできますが、もう少し細かく考えてみます。

導体ABの間には、導体Aによって発生する磁束の向きは \(-z\) 方向、導体Bによって発生する磁束の向きは \(+z\) 方向です。

ここからフレミングの左手の法則を使って電磁力の向きを求めると

導体Aによって発生する電磁力の向きは \(-x\) 方向、導体Bによって発生する電磁力の向きは \(+x\) 方向です。

そして、この電磁力は反対の導体に対して影響します。

つまり、導体Aには導体Bによる \(+x\) 方向の力が加わり、導体Bには導体Aによる \(-x\) 方向の力が加わります。

このことから、答えは(2)となります。

問5 定常状態の直流回路におけるコイルとコンデンサに蓄えられるエネルギー

平成29年度問6にも同様の問題が出題されています。

電気的に安定している状態のことを定常状態、定常状態でない状態のことを過渡状態といいます。

定常状態では、コイルには電流が流れやすい状態になっており、コイルは短絡していると考えます。

コンデンサでは、電荷が十分に蓄えられているため、電流が流れません。コンデンサは開放していると考えます。

過渡状態ではコイルは電流の流れを妨げる働きがあります。

そのためコイルに電圧を印可した瞬間は、電流の流れない状態、つまりコイルは開放している状態とみなします。

一方、コンデンサでは電荷が充電されていない状態です。

コンデンサには電流が流れやすい状態、つまりコンデンサは短絡している状態とみなします。

自己インダクタンス\( L\ [H]\) のコイルに電流 \(I\ [A]\) を流し、十分時間が経過した時にコイルに蓄えられるエネルギー \(W_L\ [J]\) は以下のようにあらわします。

コイルに蓄えられるエネルギー

\(W_L=\displaystyle\frac{1}{2}LI^2\)

\(W_L\):コイルに蓄えられるエネルギー \(L\):自己インダクタンス[H] \(I\):電流[A]

コンデンサの静電容量 \(C\ [F]\) に電圧 \(V\ [V]\) が加わっているとすると、十分時間が経過した時にコンデンサに蓄えられる静電エネルギー \(W_C\ [J]\) は以下のようにあらわします。

コンデンサに蓄えられるエネルギー

\(W_C=\displaystyle\frac{1}{2}CV^2\)

 \(=\displaystyle\frac{1}{2}QV\)

\(W_C\):コンデンサに蓄えられるエネルギー \(C\):静電容量[F] \(V\):電圧[V] \(Q\):電荷[C]

一見複雑に見えるこの回路は、書き換えると二つの並列接続が直列になっている回路になります。

この回路でコイルを短絡コンデンサを開放として考えると以下のような\(R_1\)と\(R_2\)の2つの抵抗による直列回路になります。

数値をあてはめて計算すると回路に流れる電流\(I\ [A]\)は

\(I=\displaystyle\frac{100}{20+30}\)

 \(=2\ [A]\)

コンデンサにかかる電圧\(V_1\)、\(V_2\)はそれぞれ以下のようになります。

\(V_1=R_1×I\)

 \(=20×2\)

 \(=40\ [V]\)

\(V_2=R_2×I\)

 \(=30×2\)

 \(=60\ [V]\)

電流と電圧がわかったので、ここからコイル、コンデンサに蓄えられるエネルギーを求めます。

インダクタンス \(L_1\) のコイルに蓄えられるエネルギー \(W_{L1}\) は

\(W_{L1}=\displaystyle\frac{1}{2}L_1I^2\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}×20×10^{-3}×2^2\)

  \(=40×10^{-3}\ [J]\) ・・・①

インダクタンス \(L_2\) のコイルに蓄えられるエネルギー \(W_{L2}\) は

\(W_{L2}=\displaystyle\frac{1}{2}L_2I^2\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}×40×10^{-3}×2^2\)

  \(=80×10^{-3}\ [J]\) ・・・②

静電容量 \(C_1\) のコンデンサに蓄えられるエネルギー \(W_{C1}\) は

\(W_{C1}=\displaystyle\frac{1}{2}C_1V^2\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}C_1V^2\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}×400×10^{-6}×40^2\)

  \(=320000×10^{-6}\)

  \(=320×10^{-3}\ [J]\) ・・・③

静電容量 \(C_2\) のコンデンサに蓄えられるエネルギー \(W_{C2}\) は

\(W_{C2}=\displaystyle\frac{1}{2}C_2V^2\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}C_1V^2\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}×600×10^{-6}×60^2\)

  \(=1080000×10^{-6}\)

  \(=1080×10^{-3}\ [J]\) ・・・④

①、②、③、④すべてを足して総エネルギーを求めます。

\(W=W_{L1}+W_{L2}+W_{C1}+W_{C2}\)

 \(=40×10^{-3}+80×10^{-3}\)\(+320×10^{-3}+1080×10^{-3}\)

 \(=1520×10^{-3}\)

 \(=1.52\ [J]\)

以上から、答えは(5)となります。

問6 電圧源がふたつある直流回路の計算

平成20年度問7でも同様の問題が出題されています。

ここでは「重ね合わせの理」を使って計算します。

まず左側の電圧源4Vのみとした回路1を計算します。

回路全体の抵抗値\(R_{10}\)は

\(R_{10}=4+\displaystyle\frac{2×5}{2+5}\)

 \(=4+\displaystyle\frac{10}{7}\)

 \(=\displaystyle\frac{38}{7}\)

 \(≒5.429\ [Ω]\)

電流\(I_1\)は

\(I_1=\displaystyle\frac{4}{5.429}\)

 \(≒0.737\ [A]\)

残る\(I_2\)と\(I_3\)はそれぞれ抵抗の逆比に分流するので

\(I_2=I_1×\displaystyle\frac{5}{5+2}\)

 \(=0.737×\displaystyle\frac{5}{7}\)

 \(≒0.526\ [A]\)

\(I_3=I_1×\displaystyle\frac{2}{5+2}\)

 \(=0.737×\displaystyle\frac{2}{7}\)

 \(≒0.211\ [A]\)

続いて、電圧源を2Vのみとした回路2を計算します。

回路全体の抵抗値\(R_{20}\)は

\(R_{20}=\displaystyle\frac{4×5}{4+5}+2\)

 \(=\displaystyle\frac{20}{9}+2\)

 \(=\displaystyle\frac{38}{9}\)

 \(≒4.222\ [Ω]\)

電流\(I_2\)は

\(I_2=\displaystyle\frac{2}{4.222}\)

 \(≒0.474\ [A]\)

残る\(I_1\)と\(I_3\)はそれぞれ抵抗の逆比に分流するので 

\(I_1=I_2×\displaystyle\frac{5}{5+4}\)

 \(=0.474×\displaystyle\frac{5}{9}\)

 \(≒0.263\ [A]\)

\(I_3=I_2×\displaystyle\frac{4}{5+4}\)

 \(=0.474×\displaystyle\frac{4}{9}\)

 \(≒0.211\ [A]\)

そして求めた電流値を足し合わせます。(方向に注意)

\(I_1=0.737+0.263=1.00\ [A]\)

\(I_2=0.526+0.474=1.00\ [A]\)

\(I_3=0.211-0.211=0\ [A]\)

以上から、答えは(4)となります。

問7 直並列回路の合成抵抗から抵抗値を求める

わかっているのは、回路の合成抵抗が\(1.8R\) だということのみです。

選択肢から、\(R_X\)を\(R\)を使って表したいということがわかります。

まず、計算して式がきれいになるかやってみます。

\(\displaystyle\frac{R・R_X}{R+R_X}+R=1.8R\)

 \(\displaystyle\frac{R・R_X}{R+R_X}+R\frac{R+R_X}{R+R_X}=1.8R\)

 \(\displaystyle\frac{R・R_X+R(R+R_X)}{R+R_X}=1.8R\)

 \(\displaystyle\frac{R_X+(R+R_X)}{R+R_X}=1.8\)

 \(\displaystyle\frac{2R_X+R}{R+R_X}=1.8\)

 \(2R_X+R=1.8(R+R_X)\)

 \(2R_X-1.8R_X=1.8R-R\)

 \(0.2R_X=0.8R\)

 \(R_X=4R\)

以上から、答えは(4)となります。

問8 異なる二つの交流電圧の合成電圧を求める

ベクトル図にすると以下のようになります。

三平方の定理の \(1:2:\sqrt{3}\) から、合成した電圧は\(e_1\)の2倍になります。

図から、位相は\(\displaystyle\frac{π}{3}\)の進みとなります。

以上から、答えは(3)となります。

問9 RC直列回路の電流値について

わかっている数値を公式にあてはめます

\(I=\displaystyle\frac{V}{Z}\)

\(20=\displaystyle\frac{100}{Z}\)

\(Z=5\)

インピーダンスZは5[Ω]となるため、コンデンサのリアクタンス\(X_C\)は

\(X_C=\sqrt{Z^2-R^2}\)

 \(=\sqrt{25-16}\)

 \(=3\)

\(X_C\)は\(\displaystyle\frac{1}{2πfC}\)と表すため

周波数\(f\)が50Hzから60Hzへ、1.2倍になると、\(X_C\)は\(\displaystyle\frac{1}{1.2}\)になるので

\(X_C=3×\displaystyle\frac{1}{1.2}=2.5\ [Ω]\)

よって、インピーダンスZの値は

\(Z=\sqrt{4^2+2.5^2}\)

 \(=\sqrt{22.25}\)

 \(≒4.717\ [Ω]\)

よって電流Iは

\(I=\displaystyle\frac{100}{4.717}\)

 \(≒21.20\ [A]\)

以上から、答えは(3)となります。

問10 定常状態における電流値

スイッチSを閉じた瞬間は、コンデンサは短絡と見なすので、回路は以下のように考えられます。

このときの電流\(I_0\)は

\(I_0=\displaystyle\frac{E}{6+\left(\displaystyle\frac{4×12}{4+12}\right)}\)

 \(=\displaystyle\frac{E}{9}\ [A]\)

一方、定常状態ではコンデンサに電流は流れないため、コンデンサは開放とみなします

そのため、このときの電流\(I\)の値は

\(I=\displaystyle\frac{E}{6+12}\)

 \(=\displaystyle\frac{E}{18}\ [A]\)

よって、\(\displaystyle\frac{I_0}{I}\)は

\(\displaystyle\frac{I_0}{I}=\frac{18}{9}=2\)

以上から、答えは(4)となります。

問11 電界効果トランジスタについての説明

「ゲート電圧に関係なくチャネルができる」のはデプレション型の説明のため、誤りです。

誤っている選択肢は、(5)となります。

問12 平等電界と平等磁界による電荷の運動について

電界の向きは陽極から陰極の方向なので、y軸の負の方向になります。

電界中の電荷には、\(F=qE\)の力(静電力)が加わります。

静電力

\(F=qE\)

\(F\):静電力[N] \(q\):電荷[C] \(E\):電界の大きさ[V/m]

ここでは電荷は負電荷(マイナス)なので、電界の向きとは逆の陰極から陽極へ力が加わります。

電荷が磁界から受ける力をローレンツ力といいます。

ローレンツ力の公式では\(F=qvB\)となるので、ローレンツ力\(F\) は磁束密度\(B\) と比例します。

ローレンツ力

\(F=qvB\)

\(F\):静電力[N] \(q\):電荷[C] \(v\):電荷の動く速度[m/s] \(B\):磁束密度[Wb/㎡]

負電荷の動く方向と電流の方向は逆ということを踏まえて、フレミングの左手の法則を使います。

電流の向きと電荷が受ける力の向きがわかっているので、磁界の向きは以下のようにz軸の負の方向となります。

今回のように円が回転するときの円周上の点が描く軌跡のことをサイクロイドといいます。

以上から、答えは(4)となります。

問13 トランジスタ回路の計算

直流電源\(V_{CC}\)、抵抗\(R_L\)の閉回路に注目すると、以下の式が成り立ちます。(キルヒホッフの法則)

\(V_{CC}=V_{CE}+R_LI_C\)

図2の直流負荷線から、\(I_C=0\)のとき、\(V_{CE}=5V\)なので

\(V_{CC}=5+0×R_L×0\)

\(V_{CC}=5\)

\(V_{CC}\)は5Vとなります。

また、グラフから\(V_{CE}=5V\)のとき、\(I_B≒5μA\)であることが読み取れます。

次に、\(I_B\)、\(R_B\)を含む閉回路に注目すると、以下の式が成り立ちます。

\(V_{CC}=V_{BE}+R_BI_B\)

この式に、\(V_{CC}=5\) 、\(V_{BE}=0.7\) 、\(I_B≒5×10^{-6}\) を当てはめて計算します。

\(5=0.7+R_B×5×10^{-6}\)

\(R_B=1-0.14×10^{6}\)

 \(=0.86\ [MΩ]\)

以上から、答えは(4)となります。

問14 SI組立単位の組み合わせを問う問題

磁束を表す単位、Wb(ウェーバー)は、SI組立単位ではV・sと表します

以上から、答えは(2)となります。

問15 三相交流回路の計算

(a)

デルタ・スター結線の回路では、デルタ結線をスター結線に変換して計算します。

この場合は、交流電源200Vをスター変換して、1相分を取り出して計算します。

電源はスター変換することで\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{3}}\)になるため

\(\displaystyle\frac{200}{\sqrt{3}}≒115.6\ [V]\)

リアクタンス\(X_C\)は周波数が50Hzなので

\(X_C=2πfL\)

 \(=314×12.75×10^{-3}\)

 \(≒4\ [Ω]\)

合成インピーダンスは抵抗RとインダクタンスLの直列回路のため

\(\sqrt{3^2+4^2}=5\ [Ω]\)

となります。

これらから負荷電流\(I\)の大きさは

\(I=\displaystyle\frac{115.6}{5}\)

 \(=23.12\ [A]\)

以上から、答えは(2)となります。

(b)

コンデンサがデルタ接続になっているので、計算するためにスター変換をします。

インピーダンスはデルタ・スター変換すると、\(\displaystyle\frac{1}{3}\)になります。

容量性リアクタンスは\(\displaystyle\frac{1}{2πfC}\)なので、分母にある静電容量\(C\) は3倍の\(3C\) になります

ここも1相分を取り出して計算します。

力率が1ということは、回路で消費される遅れ無効電力と進み無効電力が等しい必要があります。

\(Q_L=Q_C\)

\(X_LI^2=\displaystyle\frac{V^2}{\displaystyle\frac{1}{2πf・3C}}\)

\(X_LI^2=6πfCV^2\)

ここから、静電容量Cは以下のように求められます。

\(C=\displaystyle\frac{X_LI^2}{6πfV^2}\)

 \(=\displaystyle\frac{4×23.1^2}{6π×50×\left(\displaystyle\frac{200}{\sqrt{3}}\right)^2}\)

 \(=\displaystyle\frac{2134.44}{6π×50×\left(\displaystyle\frac{400}{3}\right)}\)

 \(=\displaystyle\frac{2134.44}{4000000π}\)

 \(≒0.00017\)

以上から、答えは(2)となります。

問16 ブリッジ回路の計算

(a)

ブリッジ回路が平衡したということは、\(R_1×R_X=R_2×R_4\)が成り立つので

\(3×(R_X+3)=2×(3+3)\)

\(R_X=1\ [kΩ]\)

以上から、答えは(3)となります。

(b)

回路の合成抵抗は

\(R_0=\displaystyle\frac{(3×10^3+6×10^3)×(2×10^3+4×10^3)}{(3×10^3+6×10^3)+(2×10^3+4×10^3)}\)

 \(=\displaystyle\frac{54×10^6}{15×10^3}\)

 \(=3.6×10^3\ [Ω]\)

電流計の指示値はオームの法則より

\(I=\displaystyle\frac{V}{R}\)

 \(=\displaystyle\frac{6}{3.6×10^3}\)

 \(=1.667×10^{-3}\ ≒1.7\ [mA] \)

以上から、答えは(4)となります。

問17 コンデンサ回路の計算

この問題では以下の公式を使います。

コンデンサに蓄えられる電荷 Q と静電容量 C 及び電圧 V の関係

\(Q=CV\)

\(Q\):電荷[C] \(C\):静電容量[F] \(V\):電圧[V]

コンデンサの静電容量を求める公式

\(C=\displaystyle\frac{ εS }{ d }\)

C:静電容量[F] ε:誘電率[F/m] S:極板の面積[㎡] d:極板間の距離[m]

(a)

床と電極の間隔 \(x\) を \(d\ [m]\) とするということなので、2つのコンデンサの静電容量は左のコンデンサを\(C_1\)、右のコンデンサを\(C_2\)とすると

\(C_1=\displaystyle\frac{ε10^{-3}}{10^{-3}}=ε\)

\(C_2=\displaystyle\frac{ε10^{-2}}{10^{-3}}=10ε\)

これは2つのコンデンサの並列回路とみなせるため、合成静電容量は

\(C_1+C_2=ε+10ε\)

 \(=11ε\)

 \(=97.35×10^{-12}\ [F/m]\)

コンデンサに蓄えられる電荷の量は

\(Q=CV\)

 \(=97.35×10^{-12}×1000\)

 \(=97.35×10^{-9}\)

 \(≒9.7×10^{-8}\ [C]\)

以上から、答えは(3)となります。

(b)

床と電極間の高さを増やすと、静電容量が減少し、蓄えられなくなった電荷が放出されます。その電荷によって左側の電極にかかる電圧を求めます。

\(x\) が \(3.0×10^{-3}\ m\) のときの \(C_2\) の静電容量は

\(C_2=\displaystyle\frac{ε10^{-2}}{3×10^{-3}}\)

 \(=3.333ε\)

合成静電容量は

\(C_1+C_2=ε+3.333ε

 \(=4.333ε\)

 \(=38.347×10^{-12}\ [F/m]\)

先ほどの電荷の量と変化後の静電容量から、電圧を求めます。

\(V=\displaystyle\frac{Q}{C}\)

 \(=\displaystyle\frac{9.7×10^{-8}}{38.347×10^{-12}}\)

 \(=2.529×10^3\ ≒2.5×10^3\ [V]\)

以上から、答えは(2)となります。

問18 演算増幅回路の計算

(a)

理想的な演算増幅器の特徴

・二つの入力端子と一つの出力端子がある

・入力インピーダンスが無限大なので入力端子には電流が流れない。

・出力インピーダンスはゼロなので出力端子に電流が流れても出力電圧は変化しない

・入力端子間の電位差はゼロ

・増幅度が10万倍以上と非常に大きい

以上の特徴から、答えは(2)となります。

(b)

直流回路では定常状態でコンデンサは開放と考えるので無視します。

図1では、入力電圧 \(V_{i1}\) は0.6Vですが、入力端子では電位差がゼロなので、反転入力 (−) の電位\(V_-\)は0.6Vとなります。

そのため、10kΩの抵抗に0.6Vがかかるため、10kΩの抵抗に流れる電流\(I_1\)は

\(I_1=\displaystyle\frac{0.6}{10×10^3}=0.06×10^{-3}\ [A]\)

入力端子には電流が流れないため、電流\(I_1\)は100kΩの抵抗に流れます。そのため、100kΩにかかる電圧\(V_1\)は

\(V_1=0.06×10^{-3}×100×10^3=6\ [V]\)

よって、出力される電圧\(V_{o1}\)は100kΩの抵抗にかかる電圧に、反転入力 (−) の電位\(V_-\)を加えるので

\(V_{o1}=V_1+V_-=6+0.6=6.6\ [V]\)

となります。

次に図2では、反転入力 (−) の電位\(V_-\)は0Vになります。

30kΩの抵抗にかかる電圧が0.45Vなので、30kΩの抵抗に流れる電流\(I_2\)は

\(I_2=\displaystyle\frac{0.45}{30×10^3}=0.015×10^{-3}\ [A]\)

入力端子には電流が流れないため、電流\(I_2\)は200kΩの抵抗に流れます。そのため、200kΩの抵抗にかかる電圧\(V_2\)は

\(V_2=0.015×10^{-3}×200×10^3=3\ [V]\)

よって、出力される電圧\(V_{o2}\)は電流の向きが逆になるので、反転入力 (−) の電位V(-)を基準として

\(V_{o2}=V_{-}-V_2=0-3=-3\ [V]\)

となります。

以上から、答えは(1)となります。

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2.まとめ

例年、計算問題が大半の「理論」科目ですが、今回も計算が必要ない問題はA問題で4問、B問題では選択式の問18の1問のみ。

全体の75~85%は計算問題ということになるので、計算力を鍛えることが必要になります。

ただ、やはり今回も過去問と全く同じ問題が出題されているので、過去問を繰り返し説いて解き方をマスターするということが、合格への近道かなと思います。

公式に当てはめるだけという問題も多いので、公式の暗記は必須と言えそうです。

以下、参考にしたサイトを掲載します。