
1.電気の直流・交流とはどういうもの?
(1)直流は変化せず一定に流れる電気
直流とは大きさや向きが変化せず一定に流れる電気のことです。
代表的なものは乾電池です。
乾電池を入れるときにプラスとマイナスの向きが決まっていると思います。
これは電気が流れる向きが決まっていて、その通りに流さないと機器が動かないからです。

(2)交流とは向きや大きさが変化する電気
直流に対して交流は、大きさや向きが周期的に変化する電気のことです。
電流の大きさは一定の間隔でプラスとマイナスを行ったり来たりして、電圧の高さもプラスとマイナスの間で変化します。

交流の代表的なものに、商用電源があげられます。
商用電源とは、電力会社から送られ、家庭などで使われる電気です。
家庭で使われる電気の代表はコンセントです。
コンセントには、二つの穴がありますが、よく見ると穴の大きさが異なっています。

穴が長い方が接地側(ニュートラル)といって、大地につながる側です。
2つの穴の先は、どちらも電線がつながっています。
コンセントはプラグを差し込む向きがどちらでも使えると思います。
それは電流や電圧が絶えず向きを変えているからです。
2.交流のメリット・デメリット
ここから交流のメリット・デメリットを一部ご紹介します。
裏を返せば、それは直流のデメリット・メリットとなります。
(1)電圧を変換しやすい
発電所で作られた電気は、はじめ数十万ボルトですが、そこから電圧を落として家庭などに送られます。
一般的に、電圧を変えるためには、鉄心(鉄の塊)に巻きつけた二つのコイルを使います。
コイルに流れた電流が鉄心に磁束(磁石の力)を生み出し、その磁束の向きが変化する時、もう一方のコイルに電流が流れます。

交流であれば周期的に電流の向きが変わるので、その変化により磁束が変化して、もう一方のコイルに電気を流すことができます。
一方で、直流では磁束が変化しないので、もう一方のコイルに電流が流れません。
このような物理の原理を使うことで簡単に電圧を変えることができます。(ファラデーの電磁誘導の法則)
(2)事故電流を安全に遮断しやすい
想定外の大きな電流が流れると、電線が焼けてしまったり、近くの人や物に被害を与えてしまう可能性があります。
そんな時には遮断器(ブレーカー)が作動して、電気を止めなければなりません。
交流では電流の大きさが周期的に変化し、必ずゼロになる瞬間があります。
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そのタイミングを狙って遮断することで、安全に電気を止めることが出来るのです。
逆に言えば、直流の大電流を遮断することは困難なのです。(ゼロ電圧を作る装置が必要)
(3)電線にかかるコストが上がる
直流はプラス側へ向かうものと、マイナス側へ向かうものの2本の線で済みます。
また、直流は大きさが変化しないため、100Aなら100Aに耐えられる電線の太さで済みます。
一方で、交流の場合は3本で送電しているため、単純にコストが1.5倍になります。

また、交流の場合は大きさが変化する為、平均すると直流よりも小さいエネルギーしか生み出せません。(詳しくは別記事にて解説予定)
そのため、直流換算で同じエネルギーを出すには交流では約1.41倍の電圧が必要になります。

その分、高い電圧に耐えられる電線を用意しなければならない点も、コストが増加する要因になります。
(4)無効電力が発生する
回路にコイルやコンデンサといった部品が含まれると、交流の場合はエネルギーとして使えない無効電力が発生します。
この無効電力に対して有効電力の割合を力率といいます。
力率を良くして効率よくエネルギーを使う為には、コンデンサを取り付けるなど対策が必要になり、その分のコストがかかってしまいます。

3.周波数とは
(1)周期の逆数が周波数
交流の場合、電圧と電流の大きさと向きが周期的に変化します。
向きが変わると言うのはイメージしにくいと思います。
電気の向きは「位相」と呼び、表記は0°、360°のような度数法や、π、2πとして表す弧度法を使います。
(π=180°)
この位相は縦軸と横軸や円を使って表します。
*例えば、以下の図の矢印の瞬間では、電流の向き(位相)はπ/3(60°)というように表します。

この変化の1往復を周期と呼び、単位時間で割ったものを周波数といいます。
つまり1秒あたりで何往復するのか、ということです。
周波数の単位はヘルツ(Hz)です。
例えば下の図のようなグラフの場合、0.5秒で3往復(1秒間で6往復)しているので、6ヘルツとなります。

日本の商用電源の周波数は東日本では50ヘルツ、西日本では60ヘルツです。
(2)周波数による用途の違い
商用電気の周波数は50~60ヘルツですが、他の用途では様々な周波数が使われています。
例えば、FMラジオは100メガヘルツくらい、携帯電話でたまに話題になるプラチナバンドが700~900メガヘルツ、電子レンジのマイクロ波は2.45ギガヘルツです。
また、スマホの非接触充電では主に数十~数百キロヘルツという周波数帯が使われています。

このように周波数の違いによってエネルギーや情報伝達として様々な用途があります。
感電すると危険な周波数が商用電源を含む10~100ヘルツで、周波数が高くなると危険性が低くなるというのも納得いくのではないでしょうか。
<<感電の危険性についての解説はこちらの記事をご覧ください>>
(3)周波数が異なるとどうなる?
最近では周波数フリーのものが多いですが、以前は対応する周波数がわかれていました。
蛍光灯などは異なる周波数で使うと暗かったり、早く切れたりしてしまいます。
東京で使っていた家電が大阪では使えないとか、ちょっと不便に感じます。
近年、ホテルやカフェなどではUSBポートの設置が進んでいます。

これは外国人観光客に対する利便性向上も狙いかと思います。
海外では電圧や周波数が違うことが多いのですが、USB電源のような直流であれば周波数に関係なく使えます。
(電圧も100~200ボルト兼用がほとんど)
そのため私たちが海外に行く際も、プラグが合えばスマホの充電などは気にせずにできるのです。
このように交流電源を直流に変換する仕組みのことをコンバータといいます。
逆に直流電源を交流に変換したり、交流の電圧や周波数を変換する仕組みをインバータといいます。
| 名称 | 機能 |
| コンバータ | 交流から直流へ変換する |
| インバータ | 直流から交流に変換、交流の周波数を変換 |
この二つを組み合わせて、交流→直流→別の波形の交流と使う機械に合わせて調整することができます。
この技術があるので家電などでは電圧や周波数を気にせず使うことができるのです。
5.まとめ
交流は大きさや向きが変化するが、直流は一定
交流と直流にはそれぞれメリット・デメリットがある
電気の向きの変化は周波数で表され、周波数の大きさによってさまざまな用途に活用されている
電気初心者の方も、少し詳しくなれたでしょうか。
この記事がお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<<もっと電気を学びたい方はこちらの記事もご覧ください>>



